先日12月7日(金)〜9日(日)にかけて、全日本競技推手連盟の葛西先生による推手セミナーがあり、参加して参りました。

葛西先生は日本での競技推手の第一人者であり、世界最高レベルの台湾の大会で常に上位の成績を収めている実力者です。

また日本で初めて推手の全国大会を開催される等、日本での推手の普及活動にも力を入れられています。

そんな凄い先生のセミナーが7日〜9日にかけて各コマ2時間合計7コマ行われ、全て参加してきました。

セミナーは、葛西先生の流石の知名度で、どのコマもほぼ満員状態と大盛況でした。

 

今回行われた7コマの内容はそれぞれ別々のテーマがありましたが、全てのテーマが、

確実に武術の理解を深め、強くなることができる。

そんな内容でした。

 

武術で強くなるためにはどうすれば良いのか?

今回のセミナーを通して、その答えを沢山紹介して頂きました。

それは全て書き出したら、本が一冊書けるのではないだろうかという程豊富な内容でした。

ここではその中の一つを紹介したいと思います。

 

セミナー全体を通して何度も反復されていた言葉の一つに「最小限」というものがありました。

例えば最小限の力。

 

もし相手の重心を崩したかったら、全力で突っ込めば相手が崩れそうなものですが、

少し推す方向を間違えたり、避けられてしまうと自分の重心が逆に崩れてしまう事が多々あります。

隙も大きくなってしまい逆に自分が危険な状況に陥ります。

では逆に力を抜きすぎて、立つのがやっとという状態で相手に影響があるかというとそれも効果がありません。

だから最小限というのは、自分自身の状態は守られたまま、相手に最大限影響のある

「ちょうどいい力加減」を指します。

 

それを探す練習を沢山行いました。

実際にやってみると、上手くいく時の力加減というのは、思ってる以上に弱い力でした。

しかも力を入れている感覚がないまま相手が崩れるものだから、その実感も薄く、

「推す」というよりむしろ「何もしていない」と言ったほうが正しい位でした。

 

今回色んな武道・格闘技をやっている方が来ていましたが、やはりこういった感覚は新鮮でかつ衝撃的だったようでした。

自分自身、普段力を抜くことは意識しているつもりでしたが、まだまだ無駄な力を入れすぎていることを再認識させられました。

そしてその最小限の力(=ちょうどいい力加減、自分的には何もしていない位の力)の時、相手に最も影響が出るという不思議な体験でした。

 

よく様々な武術・武道で、

「以柔克剛」(柔を以って剛を制す)

という言葉がありますが、まさしくその理論を身を以て体感できる貴重なものでした。

 

また、力に頼らない技術を身につけるための筋トレ方法というのも少し紹介して頂いて、非常に興味深かったです。

この筋トレは筋トレとは言っても、目的は筋力を増強することではなく、あくまでもその技術習得のための筋トレです。
(筋力的にきついですが、筋トレと呼ばない方が正しいのかもしれません)

 

筋トレは余計な筋肉がついてしまい邪魔になるからやらない方がいいとか、色んな話がありますが、
目的次第で非常に有効だということも理解できました。

 

今回、総合格闘技や中国武術、空手など様々な分野の方がいらしていましたが、

どの方々も自身がやられている武術に非常に有効だという事で喜ばれていました。

今回の内容を取り入れていけば、確実にまだまだ強くなると実感されたようでした。

 

そしてセミナー最後にお話し頂いた内容がとても素晴らしく、これまた達人のメンタリティ(前ブログ記事)を感じました。

セミナーの最後に「ずばり推手で強くなるためには?」と質問したところ。

 

その答えは、

 

1、「対抗心を出さないこと」

練習の時にその場の勝ち負けだけにこだわってはいけないという事だそうです。

無理くり押し込むやり方でその時勝てたとしても、そんな練習を繰り返していては技術は身につかない、

10年やっても強くはならない。

ただ、試合に出る時負けても構わないという心理状態のことではありません。

練習時に、その場だけの勝ち負けにこだわってしまうと、時間を無駄に過ごしてしまう。

ということだそうです。

 

2、「練習に目的意識を持つこと」

葛西先生は練習の度にその日にやる事を練習前に決めているそうです。

例えばある日の練習は一つの技しか使わない。

そうすると、その技がかかるタイミングや状況が細かく分かるようになるし、

逆に一つの技しか使わないからそれが読まれてしまってかからなくなる、その上で更にどうやったらかかるのかまた考える。

こういったように自身の課題を明確にして、一回一回の練習に目的意識を持って行うことが大事だと強調されていました。

 

3、「相手を選ばないこと」

葛西先生は普段100キロを超える相手ともガンガン練習するそうです(先生自身は80キロ台)。

それはかかる相手とだけ練習していても強くはならないし、

決まった相手としてかやらないと技術の汎用性が上がらないからだそうです。

どんな相手であろうと、選り好みをしないこと。

これが大事だと仰っていました。

 

その場の勝ち負けにこだわらない、目的意識を持って行動する、人の選り好みをしない。

 

こういったことは推手の上達に限ったことではなく、何をするにも大事な事だと思いました。

こういった人生で大事なことを推手を通して学べた。これもまた非常に意義あるものでした。

 

3日間のセミナーを通して、

 

確実に武術の理解は深まりました。

 

これから強くなるための道筋も見せて頂きました。

 

日頃の心得も教えて頂きました。

 

 

あとはそれを実践するだけです!

 

 

全日本競技推手連盟の葛西先生、板野先生、関係者皆さま

素晴らしい学びをありがとうございました🙏

 

セミナーは今後も開催されると思うので、皆さまセミナー情報は要チェックです!
外部リンク:全日本競技推手連盟

 

普段推手の練習環境がない方、推手練習会のほうもどうぞ。
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