筋トレをした結果、動作がやりにくくなる原因とその対処法①

筋トレ

筋トレをした結果、動作がやりにくくなる原因

 

筋トレをしていると筋肉を大きくすること、筋肉を強くすることに集中しすぎてしまって本来の目的を見失ってしまう可能性があります。

表演武術をやっていても、推手や散手をやっていても、筋肉トレーニングは、

技術の向上が目的であって筋肉を大きくする事が目的ではありません。

動作の妨げになるような筋トレは何の意味もないどころか、むしろマイナスです。

 

これは、上海プロチームで練習をしていた時に、とても大事なんだと先生に丁寧に教えて頂いた事の一つです。

 

例えば刀を振る時、速く行おうとすると、どうしても遠心力で刀が身体から離れていこうとします。

だから脇を締めておく必要がありますが、腕、肩、胸、背中などの筋肉が弱いと、脇を締める形を維持できません。

 

だから、それらの筋肉を強くしようと思うわけです。

しかし、筋トレを始めると、筋トレすること自体が目的になってしまい大事なことが抜けてしまうことがあります。

それは、その筋トレが必ず目的となる動作の向上に役立っているか?

ということ。

 

例えばさっきの例の、刀を速く振るために筋トレをすることについて。

 

刀が身体から離れていかないように脇を締めたい。だから胸筋を鍛える。

しばらく胸筋を鍛え、見た目も大きくなったし、持ち上げられる重さもかなり増えた。

 

そこで、刀を振ってみる。

 

あれっ・・・あんまりスピードがあげられない。

 

っていうかむしろ回しにくい。

 

こんなことが意外とおきます。

 

 

どこがいけなかったのでしょうか?

 

どうして筋肉も立派になって、かっこよくなったのに、上手くなっていないのだろう?

 

 

やりにくくなった原因は主に3つあります。

 

1つ目は、

可動域の変化

 

普段あまり自分の身体の可動域というのは意識しないかもしれません。

歩いている時、次の足はどの辺に着地するな。とか、机の上の醤油を取る時にこの距離なら届くな。とか。

こういったことはほとんどの場合、無意識に行っています。

逆に全ての動作で可動域を意識していたら大変です。

だからほとんどの人は、自分の体の可動域に注意を向けません。

 

そして筋肉を大きくするということは、その身体の可動域に大きな影響をあたえます。

二の腕の筋肉がムキムキな人なんかだと、右手で自分の右肩に手が届かないなんて人もいます。

 

だから、筋肉が大きくなることで可動域が小さくなったのに、普段可動域はあまり意識されないため、

可動域が小さくなったことに気づかず、いざ目的の動作をやってみたら筋肉は強くなったはずなのに動きにくいなんて事が起きます。

 

知らず知らずのうちに動きが小さくなって、動作がやりくくなった。

 

これが1つ目の原因です。

 

 

そして原因の2つ目は、

筋肉バランスの変化

 

簡単にいうと、筋トレをすると姿勢が少し変わります。

よくO脚を治すなんて触れ込みのトレーニングがありますが、あれなんかはすごく簡単でわかりやすい例だと思います。

膝と膝の間が広いからそれを狭くしたい。だから膝と膝の間にボールを挟んで、ぎゅっと締め付ける。

10秒くらいを1セットで3セット行う。

間に少し休憩をはさんでも1分そこそこで終了。

そして、あら不思議!

O脚が治ってる!

 

これは1回行っただけでは、O脚は治りませんが、その時は確かにいつもより膝の間が狭くなっています。

そしてこれも継続的に行っていくうちに、ほんとに少しずつですが、確実にO脚が改善されていきます。

 

これは何が起きているのでしょうか?

 

これは単純に内股を締める筋肉を頻繁に使うと、その筋肉が張りを保つようになります。

そうすると、内股が締められることによって膝の位置が変わる。

たったこれだけの簡単なことです。

 

あまりやりたい人はいないかもしれませんが、これを逆方向にいつも力をかけていれば、

ある程度はO脚を作り出せますw。

 

姿勢を保っているのはほぼ筋肉です。

生まれたての赤ちゃんは首ががくがくしてしまいます。

なぜでしょう?

当然首の筋肉が弱いからです。

でもしばらくすると、筋肉も強くなってきて首がすわってきます。

今あなたの首をまっすぐ起こしていられるのも筋肉のおかげです。

 

そうやって姿勢は筋肉によって維持されています。

 

だから先ほどのO脚改善の例などでも分かる通り、姿勢は筋肉の張りによって変わっていくのです。

 

筋肉が姿勢を変えるという話のついでに、女性にとっても受けの良い話を一つ。

 

下っ腹が細くなる方法です。

 

できたらメジャーで今の寸法を測ってもらうと効果はよりわかりやすいので、興味ある人はやってみてください。

必ずウエストが細くなるので、怖がらずに測ってみてください。

 

測って頂いたら、実際にやってみましょう。

 

これも理屈は非常に簡単です。

下っ腹が出にくい状態・姿勢をつくってあげればいいだけです。

 

方法は両肘を後ろにぐーっと引っ張り胸を張る。10秒くらい引っ張った状態を維持する。少し休憩して、あと2セット頑張ってみてください。

 

お疲れ様でした。

 

では、恐怖の測定タイム。

 

如何でしたでしょうか?

 

割と成功率の高かった実験なので、細くなった方も多いのではないでしょうか?

 

まぁ余談はこれくらいにして、話を戻します。

 

分かって頂いた通り、筋肉は姿勢に非常に大きな影響があります。

先の例で、脇を締めるために胸筋を鍛えた。しかし動作は逆にやりにくくなった。

 

これは、頑張って胸筋を鍛えた結果、姿勢が少し変わり、

刀の軌道が、以前の軌道とは違っていることが多いです。

だから非常にぎくしゃくした感じに感じます。

 

普段慣れた動作を、違う姿勢でやるとすごくやりにくさを感じます。

 

例えば、自転車をいつもより前屈みでこいでみる、または後ろ屈みでこいでみる。

すごくこぎにくいはずです。

 

筋トレだけを一生懸命やればやるほど、こういった変化は大きいので、動作への影響も大きくなってきます。

 

筋トレをした事によって、筋肉バランスが変わり姿勢がかわった。

その姿勢の変化が動作をやりにくくさせた。

 

これが2つ目の原因です。

 

 

そして3つ目の原因は、

 

意識の変化

 

筋トレが上手な人であればあるほどこの変化が大きいように感じます。

 

筋トレが上手な人というのは、その目的の筋肉を効率よく鍛えられる人のことです。

 

普通重い物を持つ時、みなさんはどうやって持ち上げるでしょうか?

 

例えば床に置いてあるお米の袋。10kgの袋だとしましょう。

 

大抵の場合、膝を曲げて、腰を落とし、袋を抱きかかえるようにして持ち上げると思います。

 

言い換えると、全身を使って持ち上げる訳です。

 

でも、筋トレの上手な人はちょっと違います。

 

もし腰の筋肉を鍛えたい場合、膝をあまり曲げず、腰もあまり落とさず、腕を床のほうに伸ばして、お米の袋を持ちます。

そして、背筋をピンと伸ばし腰に一番負担の大きい形をとり、腰に重さがかかる形を維持したまま上まで持ち上げます。

 

筋トレを頻繁にする人であれば、腰の筋肉に効かせるという表現をするかもしれません。

 

こういった筋トレの上手な人達は特定の筋肉だけを上手く使う方法を知ってます。

そして、そこだけを大きくする方法をよく心得ています。

 

よくボディビルをやっている人だと、胸の筋肉だけを器用に動かして、胸筋を上下に踊らせられる人がいます。

胸筋が大きく肥大した人がそれをやると、ホントに筋肉が大きくバウンドするように動くのでかなり面白い映像になります。

それだけ筋トレの上手な人達は、ある特定の筋肉だけを意識的に使うことができるわけです。

 

ただ、これが実際の動作に結びつける時、逆に仇となります。

 

最初の刀を振る場合の例でいうと、刀を振るのは全身運動です。

腰の力を足が支え、そこから生まれた力を効率よく背中、肩、肘、手、そして刀へ伝える。

そして、刀のスピードが上がって、遠心力が大きくなった時、握っている握力、曲げている肘、寄せている脇が遠くに引っ張られ、それらにかかる負荷が大きくなります。

だから、その遠心力に耐えるために筋肉を強化したかった訳ですが、

胸を上手に筋トレした結果、そこを強く意識しすぎるために、

本来の力の通り道を無視して、その鍛えた部分で振ろうとします。

 

椅子に座ったまま、ボールを投げるのをイメージして頂くとわかりやすいかもしれません。

腕だけではボールは遠くに投げられないはずです。

 

これに近いことが筋トレを上手にした結果起こり得ます。

 

上手に筋トレをした結果、本来あまり意識するべきではないところを意識しすぎて、動作の連動性を妨げる。

 

これが筋トレによる”意識の変化”です。

 

以上が筋トレをした結果、動作がやりにくくなってしまう主な原因です。

 

筋トレを競技力向上のために行っている人はたくさんいると思いますが、

その競技力を妨げてしまっては意味がありません。

それがプロ選手であれば、自分の収入にも直結してしまいます。

中国のプロ選手も当然それをかなり意識して筋トレをしています。

武術の動きを向上させてくれる筋トレの方法をよく心得ています。

それを、以前上海プロチームで丁寧に教えて頂きました。

 

今回は筋トレが動作を妨げやすい原因を書きましたが、当然その対処法があります。

 

次回はその対処法を書こうと思います。

 

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