推手世界大会に挑戦! 2025年 ②日本チーム編

推手

2025年10月25、26日に台湾で行われた競技推手の世界大会に参加しました。

全日本競技推手連盟からは、9名の日本人が参加しました。

 

結果は、

銀メダル🥈 3つ

銅メダル🥉 1つ

4位入賞 1つ

6位入賞 2つ

メダル、入賞含めて7つ。

 

この中で激戦を勝ち抜いて得た2つの銀メダルについて書きたいと思います。

炭野選手と、全日本競技推手連盟代表の板野選手。

 

炭野選手の参加した社会組(40歳未満)の第十級は、体重100kg以上で上限は切られていません。

炭野選手は130kg近い体重でしたが、他の選手は炭野選手が少し小柄に見える位さらに大きく、

恐らく150kgとか160kgとかの選手もいたんだと思います。

試合はまさに巨人vs巨人で、あの間に挟まれたら薄切りハムのようになってしまいそうでした。

 

炭野選手は競技推手歴はそれほど長くなく、単調な攻撃を上手く利用されてしまう場面も多かったものの、

何より対戦中の闘志を絶やさない気持ちの強さ、周りにのまれない精神力、試合モードの作り方がとにかく印象的でした。

応援しているこっちもつい声に力が入ってしまう、そんな影響力がある素敵な選手です。

動画の公開がないのが残念ですが、

2回戦のスペイン人との対戦は非常に白熱した試合になり、

共に1ラウンドを取り、第3ラウンド目に突入。

最後はどちらも譲らない、気持ちと気持ちのぶつかり合いのような展開になり、

全く怯むことなく気持ちを貫き通した炭野選手が見事勝利しました。見応えのあるワクワクした試合でした。

 

決勝はスペインのナチョ選手と当たり、技術差で及ばず準優勝。

初参加でこれだけ人を惹きつける試合をし、見事銀メダル🥈に輝いた炭野選手、かっこよかったです。

本当におめでとうございます✨

 

ナチョ選手は前回の世界大会でも優勝、今回は定歩、活歩共に優勝し、世界大会連覇を遂げました。

ナチョ選手は何度も日本で推手のセミナーを開催しており、日本チームとの繋がりも強い選手。

決勝も同じTシャツでの対戦で何だかほんわかした気持ちになりました。

(集合写真の真ん中に写ってますwww)

【決勝の様子(ナチョ選手のFacebookより)】

 

そして、板野代表。

参加されたカテゴリーは、

壮年(40歳以上)の最重量級(100kg未満)である第六級。

このカテゴリーは、参加人数も多く、台湾の選手も多く参加している激戦区の1つです。

 

1回戦、2回戦を全ラウンド6点差をつける優勢勝利で、危なげなく準決勝へ。

準決勝の相手は、台湾の超名門『適中学院』の教練。

ここがこのトーナメントの大きな壁でしたが、、

何と2ラウンド共優勢勝利!!

ここまでの全試合を優勢勝利し、決勝へ!

<準決勝の試合>

決勝の相手はロシアのウラジミール選手。

今回ロシアから16名の競技推手参加者がおり、そのチームの代表であり教練でもある選手。

前回の世界大会では準優勝している超強豪。

 

第一ラウンド序盤リードし、お互い取ったら取り返すような接戦になるも僅差で第一ラウンドを取られ、

第二ラウンド、初手で優位な場所を取られる局面が多くなり、相手の優勢勝利。

 

決勝のような、レベルが高い試合ほど、あっさり点数をとっているように見えますが、

実際はその中の一瞬にハイレベルな攻防があります。

 

惜しくも敗れ優勝は逃しましたが、

初戦から決勝までの試合を通して、

日本を代表する選手の一人が、世界のトップレベルにいることを示すのに十分な試合内容だったと思います。

板野代表銀メダル🥈おめでとうございます🎉🎉🎉

<決勝の試合>


トーナメント戦というのは残酷で、誰といつ当たるかで最終的な順位が大きく変わります。

今回入賞に至らなかった選手が、実力的にそのグループ全体で下位にいるかというと、必ずしもそうではありません。

勝負事に「もしも」は意味がないのですが、

それでも

「この人が反対の山だったら、この辺まで上がれそうだったに。。」なんて考えてしまいます。

 

一回戦でそのトーナメントの優勝者と当たり、

たまたま敗者復活戦もない山で入賞争いが出来なかった選手もおり、

何とも残念な気持ちになりました。

 

日本は台湾と違い競技推手の競技人口が遥かに少なく、練習する機会がほとんどありません。

そういう意味では、これだけの競技人口の差、練習環境の差がある中で今回の内容は悪くないと感じます。

いずれの選手も、手も足も出ないなんてことは全くなく、

上位選手に対しても上手くポイントを重ねている場面も沢山ありました。

 

ただ、台湾のトップ選手、世界のトップ選手には依然一定の距離があります。

 

今後の課題としては、

『競技推手』を練習すること

です。

 

試合が終わって、チームの仲間と話していると、

「練習が足りなかった」

「攻撃のパターンが少なかった」

「相手が自分の攻撃パターンにすぐ対応してくる」

など競技推手というゲームへの慣れという部分で差が出ていたことを感じていました。

 

武術であったり、格闘技だったり皆それぞれの分野では普段練習しているものの、

圧倒的に競技推手の練習が足りていません。

恥ずかしい話、自分が試合用のコートに足を置くのも2年前の大会以来という有様です。。

競技経験が乏しすぎます。

これから練習環境を揃えていくことから始める必要がありそうです。

 

総評としては、

年々競技レベルが上がっていることも実感できるし、

世界トップレベルでやれる選手もいるが、

練習環境や競技人口の少なさ、技術的なとこも含め総合的にまだまだ発展途上。

個人レベルでの競技力向上と共に、裾野を広げる活動が大事。

と感じました。

 

個人的には、

大人になってから、

みんなで台湾行って国際大会に参加して、

悔しかったり、嬉しかったり、

わいわいしながら青春してるのはとても楽しいので、

これからもみんなで参加できれば嬉しいなと思ってます。

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