2025年5月にハワリンバヤルというモンゴルのお祭りがあって、そこでモンゴル相撲に挑戦しました。
初戦敗退でしたが、その初戦でやって頂いた方が決勝まで残りました。
幸いなことに大会全体で最も実力のある一人と当たることができ、その技術を肌身で感じられたのは大きな収穫でした。
相手の身体は自分の倍ほどあり、体格差は明確。
自分が小さいので手加減してくれていたのはすぐ分かりました。
腕を掴まれた感覚が面白くて、強く握っていないのに全く身動きが取れませんでした。
推手の練習を通して、崩せる崩せないは別として、相手のことを捉えることには慣れていたのですが、
相手の所在が全く分かりませんでした。どこにも偏らない身体の使い方と、気持ちの使い方の為せる技です。
相手からしたらフィジカルの優位性を利用して簡単に崩せるものを、そういったことをせず、自分の破綻をきちんと待っていました。
強く握られていないのに身動きが取れず、相手を探そうにもどこにも居らず、でも相手からは何かをやってやろうという意図が何も感じられない、大きな身体とは裏腹に、威圧感の全くない透き通った空気でも相手にしているような感覚。非常に心地の良いものでした。
最後に投げられた時は、技が来ることも分からずいつの間にか空を見上げていました。
モンゴル相撲の試合に出るにあたり、動画を沢山見て研究しました。
試合前の印象は、フィジカルにものをいわせたもっと荒々しいものを想像していましたが、
実際やってみると全く事前の印象とは違いました。
一人の相手としかやっていないので、モンゴル相撲がどうこうとは言えないのですが、
自分にとってのモンゴル相撲の印象はとても高尚なものになりました。
とにかくあのどこもぶつかることのない、柔らかい大きな空気に包まれていた感覚が心地良く、忘れることのできない経験になりました。
太極拳では、「四兩撥千斤(四两(200g)が千斤(500kg)をはじきとばす)」と云われるように小さな力で大きな力を制する「柔よく剛を制す」ことを目的の一つとしてます。
あの感覚はまさに自分が太極拳でやりたいことでした。
あまりに楽しい経験だったので、試合後も近くでモンゴル相撲をやっているところはないかなと調べてみたものの見つからず断念しましたが、また来年も出てみようかなと思ってます。
