台湾高雄に飛龍教場という太極拳の名門があります。
そこに黄文佑老師という太極拳の達人がおられるのですが、
以前練習に参加させて頂いた際に、とても興味深いお話をされていました。
先生曰く、
「全ての太極拳が正解であって、ある太極拳は間違いで、ある太極拳が正しいというものではない。」
(※太極拳には沢山の門派流派が存在します)
太極拳は、太極という考え方と武術(拳)で太極拳です。
武術という手段を通して太極を学んだり、
太極という考え方で武術をするのが太極拳です。
その太極という考え方は、
陰と陽の二つが一つになって初めて太極です。
例えば、ある太極拳は間違いだと否定して排除してしまうのは、
陰と陽がバラバラであり太極の考え方ではありません。
「自分はこんな風にやっているけど、あんな方法もあるのね」
「あの方法も、〜〜な状況の場合有効かもね」
など、認める姿勢それが太極です。
外国人で初めて神主になったウィルチコ・フローリアンさんという方が、ずばりそれを説明されていたので、引用します。
八百万の神々の「思い」
——神道の知恵は、世界中で生かせるのでしょうか?
世界中を全部同じ色に染めたり、全部同じ考え方でやっていく「国際化」というのは不可能だと私は思います。それぞれの地域に、それぞれの自然、それぞれの風土があって、それは人間の体にものすごく影響を与えます。ですから、その土地に一番合う形というものが当然あるのです。土地が変われば、考え方も変わります。
やはりこれからは、相手のことを「認める」ということが大切だと思います。それは、相手の物差しに合わせるのではなく、「なるほど、そういう考え方もありますね」と心に留める。それだけでいいのです。否定する必要も、コピーする必要もありません。
それが神道の中でも非常に分かりやすく説かれています。八百万(やおよろず)の神々がいるのですから、簡単な正解不正解は無くなってしまう。正解がいっぱいあるのです。
日本人には昔から八百万の神様という考え方が根付いています。
七福神だって恵比寿様だけは日本の神様で、あとはインド出身3名、中国出身3名とかなり国際色豊かです。
このように見ても日本人は多くの外のものを受け入れる姿勢が昔からあります。
太極という考え方も全く同じです。
あの陰陽マークを見るとなんだか中国っぽいイメージはありますが、
結局、
「あれも正解、これも正解」
という考え方は全く同じです。
太極拳は武術を通してそれを学ぶという至ってシンプルなものです。
よく先生が、
「わたしがいてあなたがいる。じゃない!
あたながいてわたしがいるだ!」
(要は相手をまず受け入れてから変化するという意味)
と仰られますが、
そうやって太極拳を学んでいきます。
日本人は八百万の神様や七福神といった考え方が根付いています。
太極拳はそんな日本人にぴったりだと思っております!
新しい一年の始まりに太極拳を始めてみるのは如何でしょうか?
最近生徒さんから、
・全てのスポーツは太極拳をやってから始めたら良いのではないでしょうか?
・コンサルタントやコーチングにも太極論は非常に応用できます。
・(以前に長年武道をやったらした方が)太極拳を始めてから考え方の自由度が広がりました。
など心身ともに自由になることを実感いただいています。
3月からは青葉台で初心者向けの新クラスをオープンします。
まずは一回からでもご体験ください。