2025年10月25、26日に台湾で行われた競技推手の世界大会に参加してきました。

世界22カ国から集まり、総勢6300人という盛大な大会です。

大会は大きく分けて套路(型)と競技推手の部門に分かれており、
今回、全日本競技推手連盟から9名が競技推手の部門に参加しました。
競技推手は「性別」、「年齢」、「体重」でカテゴリーが分かれており、
39歳までが「社会組」、40歳以上が「壮年組」になってます。
自分が参加したのは、男子壮年組の65kg以下級です。
まず結果報告ですが、
3戦して2勝1敗で3位🥉
【第1戦】
1戦目の相手、王達徳選手は2023年に行われた世界大会で3位、2024年の台湾国内大会(曼青盃國際太極拳錦標賽)では1位になっている名門「友勁」の選手です。
接触時間が長くなったところからの粘りと変化が素晴らしく、変幻自在といった印象でした。
実際やってみても、先に優位な箇所を取れても、そのまま崩れるということがなく瞬時に持ち返してきます。
突き放そうにも剥がれにくいゴムのように残って、とにかく粘り強かったです。
自由推手のようなゆっくりしたペースだったらポイントを取れないのではと感じました。
戦績通りのとても強い選手でした。

【第2戦(準決勝)】
2戦目の相手、王兆羽選手は、以前来日し東京でもセミナーをやられており、その際自分が通訳に入ったことから、以前から面識がありました。
王先生は前回の世界大会では65kg以下の体重で最重量級(100kg以下)で優勝しており、また台湾で行われている国体(台湾では競技推手の一番大きな大会が国体)でも優勝している紛れもなく台湾最強の一人です。
試合は、ほとんどなす術もなく2ラウンドを通して取れたポイントはわずか1ポイント。
強いことは始める前から分かっていたつもりでしたが、想像を大きく上回ってました。
今回トーナメント表が発表されてから、何とか王先生と対戦できたらと思っていたので、その願いが叶えられたのはよかったです。
試合形式で王先生と対戦し、その技術を実際に体感できたのは大きな収穫でした。今後の大きな糧となりました。
王先生は決勝も危なげなく快勝し、優勝。

【3戦目(3位決定戦)】
3戦目の相手、蘇文雄選手は1戦目不戦勝で上がり、2戦目大河内選手に敗れ3位決定戦へ。
突っ込みが強く、前傾姿勢でも力が途切れない腰の強さが印象的でした。
前に前にと積極的に出てくる選手で、見た目の温厚さとは裏腹にグイグイ系でした。
こちらがポイントを重ねても、前に出る姿勢に変化がなく、気持ちもとても強い選手でした。


王先生で1回戦と当たった、盧金柱選手は2023年の国体で2位になった超強豪。
試合後に自由推手をして頂きましたが、身体全体で作る剛性力が半端なく強かったです。
触れた瞬間、とにかく「硬っっ!!」っていう感じでした。
台湾の国体上位の選手というのは、どの階級も化け物揃いです。
反対の山から上がった、大河内良行選手は同じ日本からの出場で、見事2位になりました。
対戦はなかったものの、試合を見せて頂いた感じでは、常に冷静で状況に応じた対応も上手な素晴らしい選手でした。
大河内選手おめでとうございます✨
今回の自分の試合だけの感想としては、
まず皆んな強い。
台湾という推手人口が日本より圧倒的に多く、レベルの平均が高い中から大会に参加する人達なので、当たり前の事なのですが、想像以上に強いです。
今までの経験から、「これくらいの当たりで推せばこういう状況になるだろうな」という予想が外れます。
1度優位な場所を取って推しても、そこからまたすぐ切り返してくるので2回、3回と途切らさずに攻撃をしないとポイントになりません。試合後ビデオを見て簡単に取れてるようなポイントも、実際の感覚は見た目とは裏腹にもっともっとしんどかったです。
そしてやはり王兆羽選手との対戦が衝撃的でした。
立ち会いからの一手目で何もさせてもらえない感覚でした。
試合の全てを掌握されてる感じで、色々工夫はしてみたものの本当になす術なしでした。
日本に帰ってきてから、王先生との試合動画を毎日見てるのですが、試合中には分からなかった王先生の細かい技術に感動しっぱなしです。
「そんなことされてたのか〜〜〜!」
と毎日興奮が冷めません。
本当に”競技推手”を知り尽くしているという感じ。
試合時に受けた感覚と、映像とをすり合わせて、できるだけ吸収できたらと思ってます。
練習課題が沢山できて本当によかったです。
自分の試合の総括としては、、、
やっぱ競技推手楽しいですwww
試合に来て本当に良かった、すごく楽しかったです。
小学生の感想文みたいですが、やっぱり楽しかったに尽きます。
沢山研究して、練習して、また2年後参加します🎵
