”太極拳による転倒予防の効果”を読んで

太極拳
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最近テレビ(NHK)で太極拳の転倒予防の効果が紹介されたようです。

後日ネットで探してみると、テレビで紹介された内容が載っていました。

世界が注目!太極拳による転倒予防の効果と隠された秘密とは(外部リンク:NHK)

 

まずタイトルの付け方が素晴らしい!

やはり”隠された秘密”とか言われるとどうしても知りたくなる。

 

そんな効果と隠された秘密とは以下のようなものである。

 

1.(効果)オレゴン州の研究機関がおこなった最新の報告によれば、ストレッチ運動に比べ、太極拳をおこなった人々の方が、1年間の転倒回数がおよそ「半分」にまで減ることも分かってきました。

 

2.(秘密)ピーター・ウェイン准教授によれば、太極拳のすごさの秘密とは、「動き」そのものにあるそうです。モーションキャプチャ(体の動きを詳細に追跡できる装置)を使って、その動きを詳しく調べてみると、太極拳の動きには「あらゆる関節が同時に動き続けている」という特徴があることが分かりました。頭・腕・足など、体のそれぞれが、常にとどまることなく、同時に動き続けているのです。

 

3.(秘密こうした複雑な動きの中でも、体が地面にかけている「圧力の中心」が、常に両足の間付近にとどまり、安定が保たれている事も確かめられました。太極拳の動きとは、まるで複雑なパズルをするように、すべての関節を連動させるようなものであり、こうして培われるバランス能力こそが転倒予防のカギだというのです。

 

まず1番目の効果について、

初めて読んだ時、「流石にこれはお粗末過ぎる」と思った。

「ストレッチ運動に比べて」って、ストレッチは基本座った状態で行うものなので、

身体を刺激するという意味では同じ運動かもしれないが、比較対象としてはおかしい。

少なくともウォーキング群やスクワット群など立位で負荷の違うものを選び、

それに対し太極拳の方が転倒予防に効果があるというなら、その効果も立証できよう。

 

専門機関がそんなお粗末な研究をする訳がないと思って原文を探してみた。

 

こちらが原文(外部リンク)

Effectiveness of Tai Ji Quan vs Multimodal and Stretching Exercise Interventions for Reducing Injurious Falls in Older Adults at High Risk of Falling

 

JAMA(世界で最も広範に読まれている医学雑誌)に掲載されたきちんとした研究論文だった。

 

目を通して見ると予想は的中。

ストレッチ群(呼吸法やリラックス活動を含む)はやはりほとんどが座位の姿勢。

そしてちゃんと複合型運動プログラム群との比較もされていた。

複合型運動プログラム群は、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたものや、バランス練習、ストレッチ、軽負荷の筋力トレーニング、チューブトレーニングなどが含まれた総合的なメニューであった。

 

そして当然といえば当然の結果だが、

 

・複合型運動プログラム群の中等度の外傷性転倒回数はストレッチ群に対し0.62(太極拳が0.51)。

 

要するに

複合型運動プログラムも転倒予防に効果的である

という事と、

この時点では、複合型運動プログラム群と太極拳群での有意な違いはないということ。

 

だがこの結果で話が終わってしまっては、当クラブに何のメリットもない(笑)

 

大事なのはここから。

 

注目すべきポイントは、

 

重度の外傷性転倒に関しては、その発症比率がストレッチ群に対して太極拳が0.25、複合型運動が0.56。

 そして複合型運動と太極拳での発症率比は0.47。太極拳群の方が有意に低い。

 

・統計的に有意とは言えないが、救急受診の発生率は太極拳群0.26に対して複合型運動群が0.55と太極拳群の方が低い。

 

・転倒後の入院する確率も複合型運動群(0.6)よりも太極拳群(0.27)の方が低い。

 

要するに、複合型運動に比べて

 

「太極拳をやっていると転倒しても大きな怪我になりにくい!」

 

「太極拳をやっていると救急車で運ばれるような転倒事故になりにくい!」

 

「太極拳をやっていると転倒で入院する確率も低い!」

 

という事が分かりました!

 

素晴らしい結果です。

 

どうしてそうなるのかは、2と3の秘密の通り、

 

あらゆる関節が同時に動き続けている

複雑な動きの中でも、体が地面にかけている「圧力の中心」が、常に両足の間付近にとどまり、安定が保たれている

 

という事。

 

正に大きな地震でも崩れることのない五重の塔のよう。

大きな揺れが来ても、全てが協調して動いて、バランスを常に取り続けている。

 

”ウェイン氏は、『転倒を予防する〝薬〟など存在しませんが、

研究が進んだ今、太極拳は『動きの中の薬(medication in motion)』と呼べるでしょう。

と期待していました。”

 

太極拳を今後の予防薬として取り入れてみるのも

良い選択肢かもしれません。

 

人生100年時代と言われていますが、

長生きするだけではなく

健康に長生きすることが

今後ますます求められる時代です。

 

太極拳はそんな時代にぴったりではありませんか!

是非一度体験してみてください。

身体だけではなく心にも良いことが実感できますよ♫

 

体験レッスンは常時受け付けてます。

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